カテゴリー「367.6 青少年問題」の記事

2008年6月18日 (水)

思考が止まって莫迦を言う――狂気の東国原英夫・宮崎県知事

 某知事がまた何か言っています。「東国原知事「愛のムチ条例できないか」…県議会で発言」(読売新聞)。

―――――

 宮崎県の東国原英夫知事は18日、学校教育の場や地域での子どもとの接し方について、「『愛のムチ条例』や、『愛げんこつ条例』ができないか。検討に値するかもしれない」と発言した。

 この日の県議会一般質問で、自民党県議が「昔は隣近所の年配の方からもよく指導され、げんこつをもらった。今は体の五感を使って学ぶ体験が少なすぎる」などと県教育長の見解をただした。

―――――

 そーなのかー(超棒読み)。というか、こんなことを言う県議も県議ならば知事も知事だ。この男は以前若年層をたたき直すために徴兵制を導入せよ、なんて言って、徴兵制はまずいのではないかと言われたら徴農だ、と言った人間だ。道路特定財源問題でもいろいろとぼろを出しているらしいし。

 昔はそんなにすばらしい時代だったのかしらね。だって少年犯罪は、凶悪犯罪の検挙件数に限って言えば1960年代のほうが現在よりも格段に多いわけだし、学校の長欠率も1950年代が現在とほとんど変わらない(もしくはそれ以上)くらい高いし…って、もう飽きた。こういう人たちにとっては、今の子供や若年層、若い親などは新聞やテレビなどがおもしろがって採り上げるような連中がすべてなんだろうな。統計とか学術的な研究は無視なんだろう。

 それよりも、条例化して、いったいどうするというのだろう。単なる努力目標?それとも罰則をつけるのだろうか。いずれにせよ、多くの親にとっては余計なお世話、としか言いようがないんじゃないか。子供や若年層や若い親をなっていないと罵って、こいつらをどうにかしなければならないから条例を作るぞ、っていえば許されると思っているんだろうか。つくづく政治って軽くなったものだ。

| | コメント (8) | トラックバック (1)

2008年3月14日 (金)

「いじめ」対策は大変な勘違いをしていきました

いじめ撲滅、歌で訴え 小野高放送部(神戸新聞)

 「平和というか何も考えていないというか」で採り上げた京都府舞鶴市の中学校の取り組みに続いたのかどうかは知らないが、ここでも無意味な「いじめ「対策」」が。

―――――

 小野市西本町の県立小野高校放送部の2年生たちが、いじめ撲滅を呼び掛けた音楽CD「足もとには小さな花」を作った。昨年12月にできた市のいじめ等防止条例を歌で盛り上げようと考えた。被害者への聞き取りも進めており、曲をBGMにしたラジオドキュメント番組でいじめのない街の実現を訴えることにしている。

―――――

 あのな。大体足下の小さな花に頼れない「いじめ」の場合はどうすればいいんだ。要するに、特定の人別な人にがいじめられており、そしてそういう関係に干渉したら自分もいじめられてしまうのではないか、と多くの人(同級生)が考えている状況だ。

 こうも牧歌的であられるのは、何も当事者じゃないから、というのではなく、やはりパフォーマンスしか考えていないからなのでしょうかね。この高校がある兵庫県小野市には《市のいじめ等防止条例》があるらしいようだが、このような「祭り」を盛り上げたところで、実際の「いじめ」が適切に処罰されなければどうにもならない。

| | コメント (5) | トラックバック (0)

そんな言い方するなよ

学校裏サイト、3万8千に   いじめの温床、文科省調査(共同通信)

 おいおい。「学校裏サイト」という表現それ自体が問題だってのに、なんでそういう表現をまだ使い続けるかな。第一、「いじめ」の温床と勝手に決めつけられている「学校裏サイト」だけれども、その大半は単なる「勝手サイト」、要するに生徒などが自主的に運営しているようなサイトではないかと推測される。

―――――

 裏サイトの中には、匿名性を悪用し同級生の実名を挙げた中傷や個人情報の暴露など、いじめや事件の温床になっている例があり、昨年7月には、神戸市の高校の裏サイトに下半身の写真を掲載されるなどのいじめを受けた男子生徒が自殺する事件も起きた。

―――――

 まあ、確かにそういう事例はあるかもしれない。だが、そういうのは明らかに刑法に抵触しているし、そういう観点から個別に対応していくしかないのではないか。必要とあれば聞き取りとか、あるいは通信記録の入手などでそのような写真をアップした生徒を逮捕すればいいだけの話だ。なんで「学校裏サイト」そのものが悪いのだ、と言われる必要があるのだろうか。

 こういう偏見や、あるいは誤った「元から断てばよい」という考え方が、やはり「地獄への道は…」で採り上げたような「公式サイト以外は認めない」的な過剰な規制につながってしまうのだろう。第一、いわゆる「学校裏サイト」が原因で起こった「いじめ」がどれくらいなのか、ということについては一切触れられていない。そういう観点を無視して、「新しい」メディアが「いじめ」を深刻化させているのだ、という「信仰」に基づく規制に走るというのは、何も考えていないのと同じではないか。

| | コメント (1) | トラックバック (1)

2008年2月13日 (水)

平和というか何も考えていないというか

「いじめをしません」舞鶴・白糸中 バッジで宣言(京都新聞)

 ううむ。この手の「対策」って、果たして効果があるのだろうか。例えば私が怪しさを感じた点は次の通り。

―――――

 1年生と3年生はそれぞれ、「みんなと仲良くします」「誰とでも笑顔で接します」と後野文雄校長に誓ってバッジを受け取り、胸元に着けた。2年生には13日に手渡す。教職員も付ける。

―――――

 こういうことが行なわれる光景を考えただけでも、かなりおかしいというか(笑えるという意味で)、ぞっとするというか、そんな感じである。だって、校長に「誓う」のよ。それで「いじめ」が解決できるなら苦労しないし、それ以前に何か押しつけがましさを感じるな。府教委はどう考えているのだろうか。

―――――

 後野校長は「いじめ被害を言いにくければバッジを外してほしい。教諭たちがすぐに相談に応じるから」と呼びかけていた。

―――――

 まさに狂気。まず、教師の視点からすれば、教師は常にどの生徒のバッジが外れたかということについて常に目を光らせていなければならないし、生徒の視点からすると、バッジを外すことによって、お前は人に助けを求めようとしている、調子に乗るなという理由で新たないじめが発生する可能性は強いと思う。どう見てもこれは「自分の学校はいじめに積極的に取り組んでますよー」、という、マスコミ向けのアピールでしかないように見える。

 こういう手法を「開発」すれば「いじめ」は減らせる、あるいは解決されると考えるのは、まさに平和ボケというか、あるいはアピールしか考えていないとしかいいようがないだろう。第一「いじめ」が起こったときに外部に相談するような圧力を下げるような努力を何もしないで(こういう視点から考えると、むしろ必要なのは相談体制の強化とかのように思えるのだが)、こういう試みがさも画期的であるように喧伝する様子を見ていると、つくづく、一昨年の秋から続いている「いじめ」祭りは収束していないと痛感する。大体、そこで行なわれている「いじめ」が犯罪性を伴っているのだったらどうするのよ、マジで。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2008年2月10日 (日)

俗流自然主義は万国共通なのか?

「ゲーム、テレビ税」創設案に賛否両論 ニューメキシコ(CNN日本版)

―――――

米ニューメキシコ州アルバカーキ(AP) 子どもたちを家の中に引き止めるビデオゲームやテレビに税金をかけ、その税収で野外教育を推進しよう――。当地の自然愛好家らが州議会にこんな提案を示し、住民の間に議論を巻き起こしている。

議会への働きかけを主導するのは、米環境保護団体の草分けとして知られるシエラ・クラブのリオ・グランデ支部。州内で販売されるゲーム機器やソフト、テレビなどに1%の消費税をかけ、「引きこもり防止」のための基金を創設、野外教育の普及に役立てることを主張している。

「ゲームやテレビは子どもたちを活動的なライフスタイルから遠ざけ、これが学力低下や肥満につながっている。問題の元凶に課税するのは、たばこや酒からの税収を保健行政に役立てるのと同じ発想だ」――シエラ・クラブの担当者、マイケル・カソーズ氏は、こう説明する。

―――――

 ううむ。これは米国の話だけど、こういうことって、我が国にもいいそうな人がいそうで怖い。

 それにしても笑えたのが、《「引きこもり防止」のための基金を創設、野外教育の普及に役立てることを主張している》という下り。米国にも「ひきこもり」があるんだ(笑)というのはさておき、笑えるのは、野外教育で本当に「ひきこもり」が防止できる、と考えている点である。本当かね。

 ま、こういう単純な因果論は、受けがいいというか、変な政治的主張を押し通したいためには必要になってしまうのかもしれない、と自戒を込めて書いておく。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年12月 4日 (火)

岩波の元社長を嗤う

 「恥を知れ三浦展」のコメント欄で教えてもらいました。ありがとうございました。

「日本の若者の活字離れは文化の崩壊を予言」(livedoor/朝鮮日報)

 おいおい。岩波の社長を務めた人間がこの程度の認識でどうするんだ。

―――――

 日本最大手の学術出版社・岩波書店に40年間勤務し、うち6年間は社長を務めたベテラン編集者・大塚信一氏(68)が来韓した。大塚氏は2003年に社長を退いた後、新聞社・出版社関係者と活字文化推進委員会を設立、児童・生徒の朝読書や子ども読書奨励運動に携わっている。

 大塚氏は「“考える力を抹殺するテレビやインターネットは何としてでも子どもに近付けてはならない”というノンフィクション作家・柳田邦男氏の主張に全面的に共感する」と語った。

 「携帯電話・インターネット・テレビに取りつかれた日本の若者の活字離れ現象は、文化の崩壊を予言するもの。このような没落の道を韓国が辿らないことを望んでいる」 

―――――

 第一、柳田邦男(笑)の言説を奉じているという点でこの人に「考える力」(笑)がないというのがはっきりとわかるのだが、大体この人って、戦後の少年犯罪の統計とかを読んだ上でこういうことを言っているんでしょうかね。

 何でも《テレビやインターネット》が《考える力を抹殺する》などと言って安易に《何としてでも子どもに近付けてはならない》なんて言説は全く建設的ではない。むしろそういったものを利用して教育に役立てようとするのが真摯な態度ではないか。例えば柳田が「ゲーム脳」「脳内汚染」(笑)まで持ち出して否定しているゲームについては、最近になって「シリアスゲーム」という概念が我が国でも紹介され、ゲームの教育的な効用について注目されている(藤本徹『シリアスゲーム』東京電機大学出版局)。

 それ以外のメディアについても、必要なのは脊髄反射的な否定ではなく、まず実態の把握と活用法だ。これについてはつとに、酒井朗ほか(編)『電子メディアのある「日常」』(学事出版)などで研究の成果が報告されている。

 まあ、大手出版社の元社長がこの程度の認識なら、我が国の学力が低下するのも必至じゃないか(笑。ついでに本日PISAの結果が公表されたが、それを読むのは「日本型で行く けれどもランキングは気になる」(「今日行く審議会@はてな」)や「理科教育の課題」(「教育ニュースへのツッコミ」)に目を通してからでも遅くはない)。ついでに韓国については、朝鮮日報にこのような社説が上がっている。

【社説】世界1位から11位に落ちた韓国の科学教育(朝鮮日報)

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2007年10月19日 (金)

気になる本(H19.10.19)

 伝説のサイト「少年犯罪データベース」の管理人が、築地書館より『戦前の少年犯罪』という本を出すらしい。早速私も(当然管理人のブログ経由で!)予約した(というわけで皆様も「管理人のブログ経由で」予約してください。そうすれば管理人にアフィリエイトの報酬が入ります)。それにしても章のタイトルがすばらしすぎる。

―――――

 1.戦前は小学生が人を殺す時代
 2.戦前は脳の壊れた異常犯罪の時代
 3.戦前は親殺しの時代
 4.戦前は老人殺しの時代
 5.戦前は主殺しの時代
 6.戦前はいじめの時代
 7.戦前は桃色交遊の時代
 8.戦前は幼女レイプ殺人事件の時代
 9.戦前は体罰禁止の時代
10.戦前は教師を殴る時代
11.戦前はニートの時代
12.戦前は女学生最強の時代
13.戦前はキレやすい少年の時代
14.戦前は心中ブームの時代
15.戦前は教師が犯罪を重ねる時代
16.戦前は旧制高校生という史上最低の若者たちの時代

―――――

 もうこれだけで笑いがこぼれてしまいますな。戦後の少年犯罪については、赤塚行雄の『青少年非行・犯罪史資料』や、最近では「新潮45」平成18年8月号の特集「昭和史「恐るべき子ども」13の事件簿」などがあるわけだし、多くの論者によって統計などで「少年犯罪の急増・凶悪化」に疑念が提示されてきた。そして、ついにこれで戦前についても書籍という形でフォローされるようになった。

 これさえ読めば、少なくとも戦前の若年はすばらしかった、というでたらめな「若者論」は語れなくなりそうだ(というよりも、赤木智弘がそのように紹介している)。是非とも同書で教育再生会議の連中をぶん殴ってやりましょう(笑)。以下、赤木による紹介を引用する。

―――――

 実は本を管理人さんからいただいて、もう私の手元にあるのですが、本を開くと、いきなり小学生がナイフや雪駄(!)で、パッカパッカと人を殺しております。「最近の子供はナイフで鉛筆を削ることもできない」などとご高説をたれ流す人もいますが、戦前の小学生たちは鉛筆を削った肥後の守で、他人の命も削っていたのです。

―――――

| | コメント (4) | トラックバック (1)

2007年10月15日 (月)

今度は毎日新聞が…

 「もう少し疑いましょう」で採り上げた、産経新聞が報じた「STOP!STDを考える会」の調査について、今度は毎日新聞が報じた。

―――――

 医療関係者らによる性感染症(STD)啓発団体「STOP!STDを考える会」が東京・渋谷で遊ぶ10代後半の若者にアンケートしたところ、17人に1人がSTDにかかった経験があると回答した。同会は「性行動が極めて活発と思われるグループのデータだが、性感染症の知識は不十分で、知らないうちに病気を広めている危険がある」と分析している。

 調査は8月10~16日、路上などで高校生と10代の卒業生に用紙に記入してもらい、466人分が集まった。性体験があったのは68%で、5.8%が「性感染症にかかったことがある」と答えた。

 また、性関係の相手の数は平均で5.2人だったが、感染経験者に限ると平均37人と7倍以上多かった。
 (性感染症:東京・渋谷の10代後半、17人に1人経験あり(毎日新聞)

―――――

 しかし、これも産経と同様、内容を精査しない、いわば「大本営発表」である。というのも、見出しでは「東京・渋谷の10代後半、17人に1人経験あり」となっているものの、渋谷にいる10代後半の人たちがなぜ《性行動が極めて活発と思われるグループ》と見なすことができるのだろうか。この記事を見る限りでは、アンケートに答えた人全員が《性行動が極めて活発と思われるグループ》と見なされているように思える。

 然るに、《性行動が極めて活発と思われるグループ》について検討したいのであれば、例えば性関係がサンプルの中で、例えば平均や中央値より大きい層とそうでない層を比較するか、あるいは上位数パーセント(4分の1くらい?)である層と下位である層(上位と同じ割合)を比較すべきだろう。いずれにせよ、サンプルが極めて偏っているのはいうまでもなく、こんな調査をなんの疑いもなく報ずる新聞の罪は大きい。何が新聞週間なんだろうね。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2007年10月11日 (木)

もう少し疑いましょう

 「黙然日記」や「Imaginary Lines」あたりが好んで採り上げそうなネタだと思うのだが(笑。ちなみに私は両方のブログを愛読しています。あと、後者では「性差を超えたエンタメ人気 社会モラル崩壊の象徴」なんて記事が採り上げられている)、まだ採り上げていなかったので私が採り上げる(ちなみにこの記事、「ニコニコ動画」のニュース欄で「高3、71%が経験者」という見出しだった。この記事を読んだあとなので、相当に歪めているなあ、と思った)。

高校3年生 71%が性経験あり 民間団体調査(産経新聞)

 この記事、タイトルだけ一見してみると、またぞろ保守派の皆々様がお嘆きになりそうな記事だと思われるかもしれない。ところが、以下を見て欲しい。

―――――

 若者の街、東京・渋谷駅周辺に集まる高校1年生の35%、高校3年生では71%に性経験があるなどとする調査結果を、性感染症予防の啓発活動を行っている民間団体「STOP!STDを考える会」がまとめ、10日発表した。(略)

 8月に渋谷駅周辺の街頭やクラブで15歳以上20歳未満の男女にアンケートを実施、466人から回答を得た。

―――――

 もしこれが本紙の記事であれば《若者の街、東京・渋谷》なんて表現などどうかと思うのだが(まあ産経は過去に「ヲタ」なる表現を本紙で使ったという伝説があるけれども)、それはさておき、この調査、明らかに地点に偏りがある。しかも、《渋谷駅周辺の街頭やクラブで15歳以上20歳未満の男女にアンケートを実施》というけれども、単なる聞き取りである可能性は非常に高い(ちなみにアンケート調査といっても、配票調査法、集団記入法などのやり方がある)。

 要するに、この調査、渋谷という地点に限って採り上げるならともかく(それでもかなり怪しいのだが)、全国の高校生一般に適用するのは大変難しいものなのである。まあ、産経の青少年報道のクオリティは「熟知している」(笑)ので(青少年がらみではないけれども、教育の記事でいわゆる「インテリジェント・デザイン」を宣伝した経験もあるし)、まあ「また産経か」ですますことも、可能なのかもしれないけど。

| | コメント (3) | トラックバック (0)

2007年10月 2日 (火)

いい加減にしろ池坊保子

次代の教育など考える諮問機関 池坊文科副大臣、発足(朝日新聞)

―――――

 福田内閣でも留任した池坊保子・文部科学副大臣が9月末、二つの私的諮問機関を発足させた。

 このうち、「次世代の教育を考える懇談会」は、政府の教育再生会議や中央教育審議会(文科相の諮問機関)と一線を画し、長期的な視点で教育のあり方を考えるのが目的という。

 副大臣が自ら選んだ15人のメンバーは多彩。安西祐一郎・慶応義塾長や陰山英男・立命館小副校長ら教育関係者、北城恪太郎・日本IBM最高顧問ら経済人、警察庁出身の竹花豊・元東京都副知事ら行政経験者もいる。

 26日の初会合では、家庭と地域の教育力の低下が学校へ及ぼす影響などを議論。半月に1回会合を開き、年度内に報告書をまとめる予定だ。

 一方、神戸市で高校生が自殺した事件などを受けて、いじめと携帯電話・インターネットの問題について考える会議も発足。いじめ自殺が問題化した昨年11月にできた「子どもを守り育てる体制づくりのための有識者会議」が、携帯やネットの問題に特化して再編成された。

 28日の初会合で、群馬大の下田博次教授(社会情報学)は「携帯電話の普及で、起きてから寝るまでずっとインターネットを使えるようになった。この問題 に家庭だけで対応するのは難しく、全く新しい仕組みを作らないといけない」と述べた。会議は毎月1回程度開かれ、報告書やアピールを出していく予定だ。

―――――

 正直言って、吐き気以外の何物も起きない。まず「次世代の教育を考える懇談会」についてだが、我々が求めているのは、それこそ苅谷剛彦や広田照幸などといった教育「学」の専門家であって、本田由紀(この人もどこかの教育関連の審議会に入って現政権に対し毒を振りまいていただきたいが)風に言えば「教育を科学することができる」人材だ。というよりも、この団体って、教育再生会議(ここも存続の公算が高まってきたが)とどこが違うのかしら?

 さらに「子どもを守り育てる体制づくりのための有識者会議」だが、これも警察庁の「バーチャル社会の弊害から子どもを守る研究会」(それにしても長い名前だな)とどこが違うのだ。ここについても、必要なのは科学的視点であって、例えば(「バーチャル社会の弊害から子どもを守る研究会」でほとんど唯一良心を保っていた)坂元章のような人材が必要なのだ。

 ちなみにこれらの元締めたる池坊保子の青少年問題についての認識は、例えば「若者の人間力を高めるための国民運動」などで示されており(詳しくは「西野坂学園時報」の「人間力運動批判Vol.008……万死に値する伊藤・長崎市長&池坊・文部科学副大臣」と、「「反ヲタク国会議員リスト」メモ」の記述を参照されたし)、このような人間が安倍晋三内閣から福田康夫内閣に至るまで文部科学副大臣としてのさばっていることを、我々は無視してはならない。

| | コメント (0) | トラックバック (0)