トラックバック雑記文・04年12月02日
「千人印の歩行器」栗山光司氏/bk1レビュアー
宮台真司氏と宮崎哲弥氏の対談本第3弾『エイリアンズ』(インフォバーン)が紹介されています。私も読みましたが、このお二人の対談は何でこんなにも面白いのでしょう。ご本人は「自分は政治には興味がない、政治なんかよりももっと大切なことがある」と書いていますが、かえってそのようなスタイルが物事の本質を浮き彫りにしているのではないかと思います。それとも、既存の「知識人」がただマヌケなだけなのか。
「知識人」といえば、私は総合雑誌を二つ読んでいるのですが、その二つである「中央公論」(中央公論新社)と「論座」(朝日新聞社)を除くと、ほとんどが「コップの中の嵐」状態に成り果てているような気がします。特に「正論」(産経新聞社)はひどい。毎回、テーマも執筆者にも意外性はありません。このような雑誌が、総合月刊誌の中では最も売れているというのが、私の想像を超える。私は声優雑誌(「声優グランプリ」主婦の友社、「hm3 special」音楽専科社)も読んでいるのですが、こちらに掲載されている声優たちのインタビューや連載コラムのほうが、少なくとも「正論」の大多数の論文・連載・当初に比べてリテラシーに富んでいる気もします。
宮台氏がらみでは、宮台氏と金子勝氏らとの対談『不安の正体!』(筑摩書房)もお勧め。この2冊に関しては、近くbk1で書評を書く予定です。
「週刊!木村剛」木村剛氏/エコノミスト
今回は「中学・高校で税金のことを教えよ」という話。一般論としては正しいです。確かに、宮台氏などが指摘している通り、現在のわが国では法律の知識を持ったエリートがほとんどすべて官僚に流れていて、法律文書リテラシーを持っている人は官僚くらい、という背景があります。なので、一般市民が税金のことを知り、国民が常に行政をチェックできるようになれば、政治を市民の側に引き寄せることも不可能ではないでしょう。あと、わが国の政治にはオンブズマン制度がなく、ウォッチ・ドッグの役割を果たすべきマスコミや多くの知識人も空疎な天下国家論に狂奔している始末。やはりこの国は市民から変えていくしかないのか。
欲を言えば、わが国は実は税金が極めて安い国家であることにも触れてほしかった。その安い税金の用途を明確化しない限り、増税は危険なのではないか、とも思います。
この記事が面白いと思ったらクリックをお願いします。→人気blogランキング
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント