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2005年9月 4日 (日)

トラックバック雑記文・05年09月04日

 最初にお知らせ。「後藤和智の若者報道用語集」というブログを作成しました。簡単に言えば、このブログに出てくる用語を紹介したものです。最近では、例えば正高信男氏や森昭雄氏なんかを「かの曲学阿世の徒」と表現しておりますが、なぜそのような表現をするのか、ということを知らない人もいるのではないかと思いますし、このブログ全体の見取り図があったほうがいいと思うので開設しました。今はまだ正高信男氏に関する語句と「俗流若者論ケースファイル」の第1~3回に関する語句だけですが、どんどん充実させていくつもりです。

 では、ここからが本番。

 ひとみの日々:いぃーやっほう!(生天目仁美氏:声優)
 この掛け声って、「仁美と有佳のどらごんデンタルクリニック」(文化放送:毎週水曜日25時~25時30分に放送)ですか。それはさておき、生天目氏の後ろにある看板が実に秀逸です。スピード違反を取り締まる看板なのですが…。

 交通違反 9000円
 佐渡するめ 500円

 要するに、お前が交通違反で支払った罰金で18個の佐渡するめが買えるんだぞ、とでも言いたいのでしょうかね。こういうユーモアに溢れた看板は好きです。しかもデザインもシンプルだし、私の周りにある種々の看板のようなけばけばしさが感じられない。世の中にこういうシンプルでユーモアに溢れた看板が多くなればいいのですが、やはり共同幻想(笑)として派手なものが受けるのだ、という傾向があるのでしょうか。でも、シンプルさだって一つの力ですよ。

 さて、今回のトラックバック雑記文は、「俺は騙されないぞ!シリーズ」でいこうかと思います。

 1、俺はオタクバッシングに騙されないぞ!
 保坂展人のどこどこ日記:オタクバッシングを考える その1その2(保坂展人氏:元衆議院議員・社民党)
 フィギュア萌え族(仮)犯行説問題ブログ版:テレビ東京、会田我路の着衣の少女写真集を、「ヌード写真集」と偽って報道。(古鳥羽護氏)
 まず、保坂展人氏のブログを読んでください。大人の対応とはこういうことを言うのですね。我が国では自分が気に入らない=犯罪の温床=規制しろ!などという自称「識者」や政治家や知事が多すぎますけれども、そのような人のやる政治というのは結局のところ弱者たたき、あるいは強権政治にしかならない。

 しかし最近の政治の流れにはきな臭いものを感じずにはいられませんね。この手の政治家が行なっていることは、「ある一つの社会的な階層や集団に対する敵愾心を煽り、それらを「敵」「悪」と規定し「正義」としての自分を強調することによって、ポピュリズム的な人気を得る」という手法に要約されるでしょう。このような所業を行なって世界を破滅に導いた政治家を知ってますか?そう、ヒットラーですよね。

 こういう、政治を単なる自己実現の場としてしか考えない阿呆どもには、ぜひともマックス・ヴェーバーの名著『職業としての政治』(脇圭平:訳、岩波文庫)の以下のくだりを読んで欲しい。

 政治とは、情熱と判断力の二つを駆使しながら、堅い板に力をこめてじわっじわっと穴をくり貫いていく作業である。もしこの世の中で不可能事を目指して粘り強くアタックしないようでは、およそ可能なことの達成も覚束ないというのは、まったく正しく、あらゆる歴史上の経験がこれを証明している。(105ページ)

 一点突破しか考えていない人には、こういう託宣は通用しないのでしょうね。

 マスコミも然りです。相手が「叩きやすい対象」であれば、捏造報道もありですか。これではテレビ東京は最近の朝日新聞の記事捏造事件を批判できませんよね。もっとも、このような所業を行なっているのはテレビ東京だけではありません。政治報道における捏造は即座に糾弾されるのに(これは全く正しい)、若者報道における捏造は全く糾弾されない。いつぞやかの「Yomiuri Weekly」で、渋谷では「家出少女の実態」みたいなテレビ報道を作らせるためにそこらを歩いている少女に「家出少女」をさせているのは日常茶飯事、というくだりを読んだことがありますが、若者報道というのは、まったくチェックが働かない場であるからこそ、捏造しても平気なのか。

 いいのかそれで。俺は騙されないぞ!

 2、俺はステレオタイプに騙されないぞ!

 kitanoのアレ:おたくのための選挙資料(1):喪男の小説『裏・電車男』:都内女性の20万人がHIV感染者というデマ

 一説では、都内の女性の約20万人がエイズのキャリアだという話…。だが、俺は騙されないぞ!なぜなら、一次情報に全く触れられていないからです。

 このデマの泉源は「2ちゃんねる」だそうで。「kitanoのアレ」からの孫引きになりますが、

喪「で、親父の病院や他の知り合いの病院2~3ヶ所の話を聞くと、毎年とんでもないペースで増えてるそうなんだ。それも加速度がついてる位で。特に20代~10代の女が凄いらしい。今じゃ何と2割位居るんだってさ。自分はエイズじゃないかなんて心配を全然してない、他の病気で普通に診察に来てる女の2割がHIV感染者だ。しかもその増加率は年々上がっている。

もしこの割合を、単純にそのまま都内の病院全部に当てはめたら1万2万なんて人数では済まないそうだ。都内だけで10万とか20万とか…もちろん単純計算だから、実際の正確な所は解らないけど」

 というものだそうです。

 このようなデマは、「今時の女は誰とでも性行為をするくらい堕落してしまった」というようなステレオタイプのなせる業である、と考えて間違いないと思います。どうしてステレオタイプの前では無力化してしまう人が多いのでしょうかね。これは何もこのようなデマ宣伝に限った話ではなく、俗流若者論でも同じ事。要するに「「今時の若者」はゲームなどで殺人を日常的に「学習」しているから凶悪犯罪を簡単にしでかすようになっている」というのも、我々がマスコミによって信じ込まされているデマです。このような、現代の女性や若年層のデマに踊らされる人が増えることによって、誰が得するのか。結局は現代の女性や若年層に対して敵愾心を煽ることで利権や支持率を得ている人たちですね。俺は騙されないぞ!

 3、俺は争点をずらしたがる小泉純一郎に騙されないぞ!

 MIYADAI.com:【アゲておきます】民主党がとるべき道とは何か(インタビュー)(宮台真司氏:社会学者)

 小泉首相は「郵政民営化」を連呼し、郵政民営化こそが改革を進める上での第一歩となる、と喧伝していますけれども、この人に「国家観」というものは果たしてあるのでしょうかね。いや、私は、何も「諸君!」の今月号の特集のようなことを言いたいのではなく、私はむしろ「国家観」よりも大きい「社会観」を問いたいのです。その点において、宮台氏のこの文章は必読だと思います。

 若者報道の研究家としての私が、特にプッシュしたい部分はこちら。

■でも、バラマキをやめるのと、弱者を放置するのとは別問題。現に社会的弱者だからこそ噴き上がる都市型ヘタレ保守は、小泉流「決然」にカタルシスを得ても、そのあと幸せになれません。そこに、都市型保守への「都市型リベラル」の対抗可能性があり、都市浮動票を取り合う二大政党制の可能性があるわけです。

■だから、民主党が示すべきは「都市型リベラル」の政党アイデンティティです。「小さな政府」が「弱者切り捨て」を伴ってはいけないと主張し、「都市型弱者」である非正規雇用者やシングルマザーや障害者の支援を徹底的に訴える。「フリーターがフリーターのままで幸せになれる社会」をアピールすればいいのです。

■「バラマキはダメだから壊す」の小泉流は明瞭です。対する民主党が「壊し方の非合理性」を訴えるのは稚拙です。郵政法案がデタラメでも、デタラメな法案を武器に使って旧経世会を葬り去ったことを、国民が賞賛しているのですからね。小泉氏を倣って「削る」「縮小」を繰返すのも稚拙です。「小泉さん、壊してくれてありがとう。壊れた後は民主党が作ります」で行くべきじゃありませんか。

■「都市型保守」のネガティビティに「都市型リベラル」のポジティビティを対置する。「不安」に「幸せ」を、「不信」に「信頼」を対置する。本当にタフでカッコイイのはどちらか。言うまでもありません。

 4、俺はこんな奴に騙されないぞ!
 bk1で、柳田邦男氏の『壊れる日本人』(新潮社)の書籍詳細ページにトラックバックされていた文章なのですが、いやあ笑えた。

 アール学派:退廃文化、絶好調!?

 いや、経済的なことを語っていることに関しては結構説得力があるのですけれども、こういうくだりを読んでいると、やっぱり俗流若者論ってのは自分こそは絶対に正しく犯罪もしないし「ひきこもり」にもならないんだぞーってはしゃいでる人たちの不満の捌け口でしかないんだよなあ、と改めて思ってしまいますよ。

 ニートチックな貧乏人は、なぜかケイタイが手離せませんね。

 「馬鹿とハサミは使いよう」ではなく、「お馬鹿な貧乏人は使いよう」ですね。

 でも、踊らされているのはあんたのほうですから!残念!!

 『ケータイを持ったサル』に群がるサル、斬り!!!

 しかもコメント欄がまた笑える。

 こないだ電車でずぶ濡れのケータイサル発見!
 どうやら、このサルはケータイは使えても傘を使う知能はなかったみたい。新たな発見なので今 秋あたりに、Journal of Mobile-phone Monky に投稿予定です!(>▽<)

 ……折りますよ?(結構前に、古本屋の立ち読みで、スクウェア・エニックスから発刊されている『ぱにぽに』という漫画の第3巻を読んで以来、この表現が結構気に入ってしまったなあ。ついでにこの『ぱにぽに』は「ぱにぽにだっしゅ!」としてアニメ化されているようです。私の地方ではテレビ東京が映らないのですが)

 ってゆうか、《Journal of Mobile-phone Monky》なんていうメディアがあるのか!ぜひとも俺に知らせてくれ!

 そもそもこの『ケータイを持ったサル』『壊れる日本人』って、現代日本のナショナリズムがいかに「愛国心」ではなく「若者論」であるか、ということを如実に示している本ですよ。詳しくは私の書いた検証記事を読んでください。正高信男氏関連はこちら。柳田氏に関してはこちら

 しかもこのブログときたら、皇學館大学助教授の森真一氏の名著『日本はなぜ諍いの多い国になったのか』へのリンクまで貼ってある!この名著を読んだら、先の2冊を簡単に信ずることはできないと思うんだがなあ。これもネタなのか。

 5、俺はこんな奴らにも騙されないぞ!
 今春に遠山敦子氏が設立した「こころを育む総合フォーラム」の設立趣旨文を検証してみます。「俗流若者論ケースファイル」の71回目としてやろうと思ったのですが、まだ資料が不十分なのでやめます。

 趣旨分において、遠山氏はこういうことを書いています。

 戦後60年、日本の経済はめざましい発展をとげました。占領期から独立期にかけて、国内的に平和の状態が保たれたことが大きかったと思います。けれどもそのことでわれわれは、いつのまにかわれわれ自身の精神的な自立、および倫理的な生き方に十分の配慮をすることなく時の経過に身をまかせてしまったきらいがないではありません。そのために噴出しはじめた綻びが、今日わが国社会のいたるところにみられることは周知の通りです。

 家庭や教育現場における人間関係の乱れ、公的機関や企業における不祥事、そして心の凍りつくような残虐な事件の発生など、いずれも日本人の精神の衰退、かつて日本人がもっていたはずの倫理性の喪失を示す兆候ではないでしょうか。物質的な豊かさにともなう心の世界の空洞化が、危機的な様相を呈しているというほかはありません。

 だからさ、なんでこういう俗流若者論や俗流社会論で、《日本人の精神の衰退、かつて日本人がもっていたはずの倫理性の喪失を示す兆候》なんて安易に語っちゃうのかな。いずれにせよ、このフォーラムはしっかりと監視しておく必要がありそうです。

 検証になってないなあ。

 6、俺は統計にも騙されないぞ!
 「統計学の常識、やってTRY!第5回」を公開しました。読んでね。しかも「AERA」平成17年9月5日号の次号予告を見てたら、また香ばしい薫りが…。

 次号のアエラは●日本を再生するファンドを作った人たち●引き込もりをつくらない間取りの家

 さて、どんな記事ができ上がるのやら。しかも私は建築学科の学生ですから、更に気になるわけですよ。建築物としての家までもが俗流若者論に政治化されてしまうのか、って。

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コメント

森達也がHPで保坂展人・辻元清美・鈴木宗男の
選挙応援を買って出ているのですが、
この三人の森さんから見た共通点はナンダロウかと考えていたら、
後藤さん紹介の保坂展人日記を拝見して少しは感触をつかめたのですが、
それでも、氷解しない。面白い人選だとは思う。

投稿: 葉っぱ64 | 2005年9月 4日 (日) 10時00分

どこに書こうかと思ったのですが、こちらに書かせていただきますね。

「若者報道用語集」の有田秀穂氏に関する説明ですが、彼の著書は「セロトニン欠乏症」ではなく、「セロトニン欠乏脳」です。
詳しい内容は、同書を参照していただくしかないのですが、有田氏のこの書には一切、根拠と言えるようなデータ開示などはなく、都合の良いエピソード紹介に終始しています。自ら好意的に紹介している森昭雄氏の主張とも、完全に矛盾しており、この書自身もハッキリとトンデモ本と呼んで良いと思います。

投稿: モリケン | 2005年9月 5日 (月) 09時36分

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政治学者福岡正行氏は造反派大敗,民主の大幅議席増なるも,自公過半数維持と予測しました.郵政法案が参議院でぎりぎり否決される可能性はなお残っていますが,小泉政権はあらゆる手段を使ってこれを乗り切ることでしょう. 政治評論家(政治広報センター社長,EVS電子投票普及協業組合理事長)宮川隆義氏は民主が45議席を増やして大躍進,自公過半数割れを予測しています.ただし,野党合計は229に留まり衆院過半数の241に至らないと観望しています.小泉退陣となれば政局は一気に流動化します. 経営コンサルタン... [続きを読む]

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 ということで、「ゲーム脳を巡る書籍」の第2段では、有田秀穂氏の『セロトニン欠乏脳』を取り上げてみたいと思います。  …という予定だったのですが、実は、これ、久しぶりに読んでみて記憶していた以上にトンデモ本だったということに気づきました。ある意味、『ゲー....... [続きを読む]

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