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2005年12月31日 (土)

2005年・今年の1曲

 筆者が2005年に買ったCDの中でもとりわけ私の印象に残った曲を紹介します。今回は、
 FictionJunction YUUKA「暁の車」作詞・作曲:梶浦由記
 FictionJunction YUUKA「焔の扉」作詞・作曲:梶浦由記
 以上を推薦します。
 なお、「2005年下半期の1曲」は、もう少しお待ちください。

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 「暁の車」は、私が「俗流若者論ケースファイル」という連載を始める直前に買ったCDであり、当初は梶浦由記氏(作曲家)が南里侑香氏(声優)をプロデュースする「FictionJunction YUUKA」の曲であるということと、またCDの売上が高かったことから買ったものである。そして、この曲を聴いてから、この曲は、私が若者論批判を書くときに最初に聞く曲となっている。なぜなら、この曲の持っているイメージが、俗流若者論の奈落へ落ちていく者たちに捧げる挽歌として、私のイメージと合致するからである。

 「暁の車」の世界観は、どこかへ――おそらく戦地であろう――赴く人を、おそらくその人と付き合いのある女性や子供が必死で引き止めるが、それがかなわぬ夢である、ということである。また、タイトルに「暁」という文字が入っていたり、あるいは「オレンジの花びら」とか「燃えさかる車輪」などという表現が使われている通り、時間帯は日暮れ時であろう。しかし、この日暮れという時間設定と、歌詞の持つ悲壮感、そして南里氏のヴォーカルが、この曲に壮大なイメージを与えて、感慨深い味わいを持たせている。

 この曲を俗流若者論の奈落へ落ちていくものたちに捧げる挽歌として私の活動と重ね合わせたのも、基本的には良心的な書き手ですら、いざ若者論となると急に偏狭な認識をあらわにして、暴論を振りかざすことが往々にしてあったからである。私にとって、そのような行為は、書き手の信頼性を失わせるものであると考えているし、そうなってしまうことは極めて悲しいことだからである。

 「焔の扉」は、こちらは希望の失われた大地から、新しい希望を手に入れるために旅立つという曲であり、始まりを予見させる曲である。「暁の車」が葬送の曲であるなら、「焔の扉」は旅立ちの曲であるかもしれない。しかし「焔の扉」からも、旅立つ者の決意と同時に不安を感じさせるイメージが惹起される。例えば「悲しみよ今は静かに/私を見守って」や「嘆きの大地に赤い雨は降り注ぐ」という部分がそれにあたる。しかしそれを必死になって拭い去ろうという気概もまた垣間見える。

 いずれも、極めて壮大な世界観を歌いきった曲である。是非聞いて欲しい。それにしても、アルバムが欲しい。予算の都合で買えなかった…。

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 2005年・アルバム15枚
 1:tiaraway「TWO:LEAF」サイトロンディスク、2005年1月

 2:岡崎律子「Love & Life -private works 1999-2001-」ユニバーサルミュージック、2005年5月

 3:KOTOKO「硝子の靡風」ジェネオンエンターテインメント、2005年6月

 4:皆川純子「アイコトバ」キングレコード、2005年4月

 5:小森まなみ「Ride on Wave」インターチャネル、2005年7月

 6:折笠富美子「Flower」ジェネオンエンターテインメント、2005年9月

 7:高橋直純「scene ~残したい風景~」リアライズレコード、2005年8月

 8:金月真美「たからもの」コナミメディアエンターテインメント、2004年12月

 9:國府田マリ子「メトロノーム」キングレコード、2005年2月

 10:笠原弘子「H.K」ジェネオンエンターテインメント、2005年9月

 11:佐藤利奈「空色のリボン」フロンティアワークス、2005年3月

 12:浅野真澄「happyend」コロムビアミュージックエンターテインメント、2005年8月

 13:野川さくら「Cherries」ランティス、2005年8月

 14:桑島法子「純色brilliant」ビクターエンターテインメント、2005年12月

 15:田村ゆかり「琥珀の詩、ひとひら」コナミメディアエンターテインメント、2005年3月

 2005年・シングル収録曲15曲(上記のアルバムに収録されている曲は除く)
 1:FictionJunction YUUKA「暁の車」作詞・作曲:梶浦由記/FictionJunction YUUKA「暁の車」ビクターエンターテインメント、2004年9月
 ※アニメ「機動戦士ガンダムSEED」挿入歌

 2:水樹奈々「ETERNAL BLAZE」作詞:水樹奈々、作曲:上松範康/水樹奈々「ETERNAL BLAZE」キングレコード、2005年10月
 ※アニメ「魔法少女リリカルなのはA's」オープニングテーマ

 3:FictionJunction YUUKA「焔の扉」作詞・作曲:梶浦由記/FiceionJunction YUUKA「焔の扉」ビクターエンターテインメント、2005年9月
 ※アニメ「機動戦士ガンダムSEED Destiny」挿入歌

 4:angela「YOU GET TO BURNING」作詞:有森聡美、作曲:大森俊之/angela「YOU GET TO BURNING」キングレコード、2005年9月
 ※アニメ「機動戦艦ナデシコ」オープニングテーマのカヴァー

 5:angela「DEAD SET」作詞:atsuko、作曲:KATSU、atsuko/angela「DEAD SET」キングレコード、2005年8月
 ※アニメ「蒼穹のファフナー RIGHT OF LEFT」イメージソング

 6:angela「Peace of mind」作詞:atsuko、作曲:KATSU、atsuko/angela「Peace of mind」キングレコード、2005年12月
 ※アニメ「蒼穹のファフナー RIGHT OF LEFT」テーマソング

 7:米倉千尋「僕のスピードで」作詞・作曲:米倉千尋/米倉千尋「僕のスピードで」キングレコード、2005年2月
 「2005年上半期の1曲」参照。
 ※アニメ「まほらば ~Heartful days~」エンディングテーマ

 8:メロキュア「ホーム&アウェイ」作詞・作曲:日向めぐみ/メロキュア/井上喜久子「ホーム&アウェイ」コロムビアミュージックエンターテインメント、2005年7月
 ※アニメ「奥さまは魔法少女」オープニングテーマ

 9:angela「未来とゆう名の答え」作詞:atsuko、作曲:KATSU、atsuko/angela「未来とゆう名の答え」キングレコード、2005年1月
 ※アニメ「JINKI:EXTEND」エンディングテーマ

 10:水樹奈々「WILD EYES」作詞:水樹奈々、作曲:飯田高広/水樹奈々「WILD EYES」キングレコード、2005年5月
 ※アニメ「バジリスク ~甲賀忍法帖~」エンディングテーマ

 11:愛内里菜、石田燿子、近江知永、奥井雅美、影山ヒロノブ、can/goo、栗林みな実、下川みくに、JAM Project、鈴木達央、高橋直純、水樹奈々、unicorn table、米倉千尋「ONENESS」作詞・作曲:奥井雅美/愛内里菜、他「ONENESS」ワンネスプロジェクト、2005年5月
 ※「Animelo Summer Live 2005 -THE BRIDGE-」テーマソング/アニメイト限定発売

 12:田村ゆかり「Spiritual Garden」作詞:三井ゆきこ、作曲:太田雅友/田村ゆかり「Spiritual  Garden」コナミメディアエンターテインメント、2005年10月
 ※アニメ「魔法少女リリカルなのはA's」エンディングテーマ

 13:折笠富美子、他「黄色いバカンス featuring 片桐姫子」作詞:斉藤謙策、作曲:河合英嗣/折笠富美子、他「黄色いバカンス」2005年8月、キングレコード
 ※アニメ「ぱにぽにだっしゅ!」オープニングテーマ

 14:石田燿子「OPEN YOUR MIND ~小さな羽根ひろげて~」作詞:石田燿子、作曲:田中公平/石田燿子「OPEN YOUR MIND ~小さな羽根ひろげて~」ジェネオンエンターテインメント、2005年1月
 ※アニメ「ああっ女神さまっ」オープニングテーマ

 15:高橋広樹「BE YOURSELF」作詞:池田森、作曲:高橋広樹/高橋広樹「BE YOURSELF」インターチャネル、2005年4月
 ※文化放送ラジオ番組「BE YOURSELF」オープニングテーマ

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コメント

どうも。
声優さんは最近は私もフォローしきれていないのですが、今回のトラックバックでは声優の世界についても簡単に触れました。自らの芸事を誇るのはいいとして、後藤さんオススメ声優がこのような人間にだけはなってもらいたくないと強く思う次第です。

投稿: Lenazo | 2006年3月20日 (月) 23時29分

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